建設業の事業者が使える補助金は、目的も上限額も要件も、補助金ごとに異なります。この記事では、小規模事業者持続化補助金・中小企業省力化投資補助金(一般型)の2つを、公式の公募要領にもとづいて比較し、自社に合う補助金を選ぶ視点を整理します。

確認した公募要領:持続化補助金は第20回、省力化投資補助金(一般型)は第7回の公募要領です(2026年10月8日確認)。公募回によって条件は変わるため、申請前に、必ず最新の公募要領をご確認ください。

2つの補助金の比較表

持続化補助金と省力化投資補助金の比較図(目的・補助上限額・補助率・賃上げ等の要件)
図1:2つの補助金の違い(公募要領をもとに当社が作成)
小規模事業者持続化補助金(第20回) 中小企業省力化投資補助金・一般型(第7回)
目的 販路開拓等の取り組みと、あわせて行う業務効率化(生産性向上)の取り組みを支援 人手不足の解消に効果のある、IoT・ロボット等を活用した専用設備(オーダーメイド設備)の導入を支援
補助上限額 基本50万円。特例の要件を満たすと、最大250万円 従業員数に応じて750万円〜8,000万円。大幅賃上げの特例で、1,000万円〜1億円
補助率 2/3(赤字事業者の賃金引上げ特例は3/4) 中小企業は1/2、小規模企業者・小規模事業者・再生事業者は2/3(最低賃金引上げの特例で、中小企業も2/3)
対象者の規模 小規模事業者(従業員は、製造業その他で20人以下など) 中小企業等(従業員数で上限額が変わる)
賃上げ等の要件 基本の要件にはなく、特例を使う場合に必要 基本要件に含まれる
受付期間 2026年11月5日〜12月15日 事務局のホームページで公開

※建設業は、一般に「製造業その他」の区分(従業員20人以下)に当たります。業種の判定は、公募要領の参考資料でご確認ください。
※上限額・補助率・要件には、特例や例外があります。詳細は、各公募要領をご確認ください。

小規模事業者持続化補助金:販路開拓と業務効率化

  • チラシ・広告、ホームページ、展示会出展など、販路開拓の取り組みにかかる経費が、補助対象経費の区分(機械装置等費、広報費、ウェブサイト関連費、展示会等出展費、旅費、新商品開発費、借料、委託・外注費の8区分)に当てはまれば、対象になります。
  • ウェブサイト関連費と広報費は、それぞれ補助金の交付申請額の上限が30万円(税込)で、単独での申請はできません。
  • 補助事業の終了後に、売上高・売上総利益が増加することが見込める事業であることが必要です。
  • 賃金引上げ特例・インボイス特例を使うと、上限額が上乗せされます。ただし、特例の要件を1つでも満たさないと、補助金の全体が交付されません。
  • 申請には、商工会・商工会議所が発行する事業支援計画書(様式4)が必要です。発行依頼の受付締切は、2026年12月4日です。

詳しくは、持続化補助金のよくある質問をご覧ください。

中小企業省力化投資補助金(一般型):人手不足を設備で解消

  • 人手不足に悩む中小企業等が、IoT・ロボット等を活用した専用設備を導入するための経費を補助します。
  • 補助対象経費は、機械装置・システム構築費(必須)、運搬費、技術導入費、知的財産権等関連経費、外注費、専門家経費、クラウドサービス利用費です。
  • 基本要件として、労働生産性の年平均成長率を4.0%以上増加させること、1人あたり給与支給総額の年平均成長率を3.5%以上増加させること、事業場内最低賃金を地域別最低賃金+30円以上にすることが求められます。従業員21名以上の場合は、一般事業主行動計画の公表も必要です。
  • 補助事業実施期間は、交付決定から18か月以内(補助金交付候補者の採択発表から20か月以内)です。
  • 製品カタログに載っている製品なら、手続きが簡易な「カタログ注文型」もあります。一般型は、カタログ注文型より、審査項目が多くなります。

自社に合う補助金を選ぶ3つの視点

補助金の選び方のフローチャート:販路開拓なら持続化補助金、人手不足を設備で解消するなら省力化投資補助金
図2:目的から選ぶ補助金のフローチャート
  1. 何を実現したいか:販路開拓・集客を広げたいなら持続化補助金、人手不足を設備で解消したいなら省力化投資補助金が、それぞれの目的に近い補助金です。
  2. 投資の規模:上限額は、持続化補助金が最大250万円、省力化投資補助金は従業員数に応じて750万円〜8,000万円です。投資額と、必要な自己負担(補助率)を、あわせて確認します。
  3. 要件への対応力:省力化投資補助金は、賃上げなどが基本要件に含まれます。持続化補助金は、賃上げは特例を使う場合のみです。自社の賃金・雇用の計画と、無理なく合うかを確認します。

申請から実施までの流れ

申請の手順は、補助金ごとに異なります。持続化補助金は、商工会・商工会議所が発行する事業支援計画書(様式4)が必要です。いずれの補助金も、受付期間・スケジュールは、公募回ごとに異なります。

持続化補助金(第20回)と省力化投資補助金・一般型(第7回)の、申請から実施までの流れ
図3:申請から補助事業の実施までの流れ(公募要領をもとに当社が作成)

申請前に知っておきたい共通の注意点

  • 補助事業で取得した財産には、処分の制限があります。目的外の使用や、廃棄・譲渡などを行う場合は、事前の手続きや、国庫への納付が必要になることがあります。
  • 採択された後に、交付申請をして、経費が補助対象として適切かを精査したうえで、交付決定になります。交付決定時に、補助金額が減額されたり、全額が対象外になったりすることがあります。
  • 事業計画は、申請者自身が作成する必要があります。外部の支援を受ける場合は、支援者の名称や報酬額などを、申請時に記載する必要がある補助金があります。報酬額や契約内容は、事前に確認しましょう。
  • 申請には、GビズIDのアカウント(プライム)が必要です。取得に時間がかかるため、早めに準備します。

出典

ご利用にあたって

  • この記事は、上記の公募要領等の内容を、株式会社Saludが整理・要約したものです。国・事務局が作成・監修したものではありません。
  • 記載した数値・内容は、各公募要領の公表時点のものです。正確な内容は、必ず最新の公募要領でご確認ください。
  • 採択や補助金の交付を、保証するものではありません。
  • 掲載内容に誤りがある場合は、お問い合わせからご連絡ください。速やかに対応します。

補助金のご相談

株式会社Saludは、中小企業庁認定の経営革新等支援機関として、補助金の申請から採択後の実績報告までをサポートしています。相談・診断は無料です。

無料で相談する・資料を受け取る

監修者

堂本 拓央(株式会社Salud 代表取締役)

代表者のプロフィールはこちら