中小企業省力化投資補助金(一般型)第9回公募では、機械装置・システム構築費が必須で、単価50万円(税抜)以上の設備投資を必ず1つ以上入れる必要があります。この記事では、対象経費7区分の一覧、上限のある経費、対象外になりやすい経費、支払いや見積もりの注意点を、公募要領に沿って整理します。申請の前に「この費用は入れてよいのか」を確認する材料にしてください。
この記事の結論(要点)
- 中小企業省力化投資補助金(一般型)第9回公募の対象経費は、機械装置・システム構築費(必須)、運搬費、技術導入費、知的財産権等関連経費、外注費、専門家経費、クラウドサービス利用費の7区分です。
- 機械装置・システム構築費では、単価50万円(税抜)以上の機械装置等の設備投資が必ず1つ以上必要です。
- 機械装置・システム構築費以外の経費は、総額で500万円(税抜き)までが補助上限額です。
- 対象経費は、交付決定日以降に契約(発注)し、補助事業実施期間内に支払いを完了したものに限られます。
- 採択後の交付申請で再審査され、対象外の経費があると交付決定額が減額または全額対象外になる場合があります。
その値段は、1つで50万円(税抜)以上でなければいけません。
お金を使うのは、国から「使ってよい」と決まった日より後です。
払うときは、銀行振込でお願いします。
この記事は、2026年11月4日に公開された第9回公募の公募要領をもとにしています。第9回の公募開始日は2026年11月4日(水)で、申請受付開始は2026年12月上旬(予定)、公募締切は2026年12月下旬(予定)、採択発表は2027年3月下旬(調整中)と公表されています(中小企業省力化投資補助金の公式スケジュールページより)。受付開始日・締切日は予定のため、確定した日付は必ず公式サイトでご確認ください。なお、第8回公募は2026年10月16日に締め切られています。
ご注意:この記事は、中小企業省力化投資補助事業(一般型)公募要領(第9回公募・2026年11月4日公開)をもとにした概要です。公募要領は改訂されることがあります。申請の前に、必ず最新の公募要領でご確認ください。
✔ 迷ったら、先に相談を。要件や経費の確認は、無料相談フォームまたはLINEから受け付けています。
省力化投資補助金(一般型)第9回公募の対象経費には何がありますか?
対象経費は、機械装置・システム構築費(必須)、運搬費、技術導入費、知的財産権等関連経費、外注費、専門家経費、クラウドサービス利用費の7区分です。
中小企業省力化投資補助金(一般型)の公募要領(第9回公募)には、この7区分が示されています。対象になるのは、本事業の対象として明確に区分できる経費です。経費の必要性と金額の妥当性を、証拠書類で確認できることも条件です。
| 区分 | 必須/任意 | 上限の考え方 | 主な内容 |
|---|---|---|---|
| 機械装置・システム構築費 | 必須 | 区分としての上限割合の記載なし | 専ら補助事業のために使う機械・装置、工具・器具、専用ソフトウェア・情報システムの購入・構築・借用など |
| 運搬費 | 任意 | 個別の上限割合の記載なし | 運搬料、宅配・郵送料等 |
| 技術導入費 | 任意 | 補助対象経費総額(税抜き)の3分の1 | 事業に必要な知的財産権等の導入 |
| 知的財産権等関連経費 | 任意 | 補助対象経費総額(税抜き)の3分の1 | 弁理士の手続代行費用など |
| 外注費 | 任意 | 補助対象経費総額(税抜)の2分の1 | 専用設備の設計等の一部を外注する経費 |
| 専門家経費 | 任意 | 補助対象経費総額(税抜)の2分の1、1日上限5万円 | 依頼した専門家に支払う経費 |
| クラウドサービス利用費 | 任意 | 個別の上限割合の記載なし | 専ら補助事業のために使うクラウドサービス等の利用費 |
ここでいう補助事業とは、補助金を使って行う省力化投資の取り組みのことです。
上のカードは、対象経費の基本ルールを3つに絞ったものです。
機械装置・システム構築費が「必須」とは、どういう意味ですか?
機械装置・システム構築費が必須とは、単価50万円(税抜)以上の機械装置等の設備投資を、事業計画に必ず1つ以上入れなければならない、という意味です。
この条件は公募要領の3-1に書かれています。ほかの経費だけで申請することはできません。次の数字カードは、この区分に関する主な数字です。
この区分に入る経費の中身
公募要領では、次の3つが示されています。
- 専ら補助事業のために使う機械・装置、工具・器具(測定工具・検査工具、電子計算機、デジタル複合機等)の購入、製作、借用の経費
- 専ら補助事業のために使う専用ソフトウェア・情報システムの購入・構築、借用の経費
- 上の2つと一体で行う改良や据付けの経費
借用とは、いわゆるリース・レンタルのことです。交付決定後に契約したことが確認でき、補助事業実施期間中の分だけが対象です。契約期間が実施期間を超える場合は、按分などで算出した実施期間分だけが対象になります。
注意したい点
- 「減価償却資産の耐用年数等に関する省令」の「機械及び装置」「器具及び備品」「工具」「ソフトウェア」「電気通信施設利用権」に係る経費が対象です。「船舶」「航空機」「車両及び運搬具」は対象になりません。
- ソフトウェア・システムの月額・年額利用料は「借用」に当たりません。クラウドサービス利用費に当たると判断できる場合は、そちらに計上します。
- 購入時の機械装置の運搬料は、機械装置費に含めます。
- 機械装置等の製作を外注する場合は、外注費ではなく「機械装置・システム構築費」に計上します。
- 本事業で導入したシステム等のサイバーセキュリティ対策のために限り、市販パッケージのウイルス対策ソフト等の購入費は対象です。ウイルス対策ソフト等だけを単体で買う費用は対象外です。
システム構築費を入れる場合
システム構築費を計上する場合は、採択後に見積書に加えて仕様書等の提出を求められることがあります。実績報告時には、要件定義書(費用見積書を含む)または開発費用算出資料の提出が必要です。見積書は積算根拠が明確なものが必要で、「システム開発一式」のような見積は認められません。
経営者パソコンと市販の業務ソフトも、機械装置・システム構築費に入れてよいですか。
担当者事務用のパソコンや文書作成ソフトなど、汎用性があり目的外使用になり得るものは、対象外の例として挙げられています。ただし「本事業でのみ使用が可能なもの」は除くとされています。
経営者システムの見積は「開発一式」でもよいですか。
担当者「システム開発一式」のような見積は認められません。積算根拠が明確な見積書と仕様書が必要です。
経営者では、パソコンが対象になるかは誰に聞けばよいですか。
担当者判断が分かれる場合は、公募要領を確認したうえで、中小企業省力化投資補助金事務局のコールセンターに確認しましょう。
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機械装置・システム構築費以外の経費には、上限がありますか?
はい、機械装置・システム構築費以外の経費には上限があり、総額で500万円(税抜き)までが補助上限額です。
公募要領の3-4に、この総額の上限が書かれています。加えて、区分ごとに次の上限があります。
| 経費区分 | 区分ごとの上限 | 注意点 |
|---|---|---|
| 技術導入費 | 補助対象経費総額(税抜き)の3分の1 | 知的財産権を所有する他者から取得する場合は書面による契約が必要。支出先には専門家経費・外注費を併せて支払えない |
| 知的財産権等関連経費 | 補助対象経費総額(税抜き)の3分の1 | 特許庁への出願料・審査請求料・特許料などは対象外 |
| 外注費 | 補助対象経費総額(税抜)の2分の1 | 外注先との書面による契約が必要。外注先が設備を購入する費用は対象外 |
| 専門家経費 | 補助対象経費総額(税抜)の2分の1、1日上限5万円 | 応募時に事業計画書の作成を支援した者は対象外 |
専門家経費で間違えやすい点
専門家の謝金単価(消費税抜き)は、大学教授、弁護士、弁理士、公認会計士、医師が1日5万円以下です。大学准教授、技術士、中小企業診断士、ITコーディネータは1日4万円以下とされています。
事業計画書は申請者ご自身で作成するものです。計画づくりで支援を受けた場合は、事業計画書作成支援者の名称・報酬・契約期間を記載する必要があります。支援を受けているのに記載がないと、不採択や補助金の返還などの対象になります。
クラウドサービス利用費の線引き
クラウドサービス利用費は、専ら補助事業のために使うものだけが対象です。自社の他事業と共有する場合は対象になりません。サーバー購入費やサーバー自体のレンタル費も対象外です。パソコン・タブレット端末・スマートフォンの本体費用も対象になりません。
どんな経費が対象外になりやすいですか?
対象外になりやすいのは、交付決定前に発生した経費、中古品、汎用性の高い機器、不動産や設置場所の工事などです。
公募要領の3-2には、対象外経費が多数挙げられています。応募時点で計上した経費の大半が対象外の場合は、補助事業の円滑な遂行が困難として不採択になる可能性があります。
| 対象外の例 | 公募要領の内容 |
|---|---|
| 交付決定前の経費 | いかなる理由でも事前着手は認められない |
| 中古品購入費 | 対象外 |
| 汎用性のある機器 | 事務用のパソコン・プリンタ・文書作成ソフトウェア・スマートフォン・タブレット端末・カメラ・家具など。本事業でのみ使用が可能なものを除く |
| 不動産・簡易建物 | 土地、建物、構築物の取得費。ビニールハウス、コンテナ、ドームハウス等も対象外 |
| 設置場所の整備・基礎工事 | 対象外 |
| 自社の人件費・旅費・交際費 | 自社の人員で社内システムを開発・改修する場合の人件費も計上不可 |
| 既存システムのアップデート | バージョンアップ・改修費用は対象外。新規システムと連携するための改修費用は対象 |
| 通信費 | 電話代、インターネット利用料金等は対象外(クラウドサービス利用費の付帯経費を除く) |
| 振込手数料・消費税等 | 振込等手数料(代引手数料を含む)、消費税及び地方消費税額は対象外 |
| 保守・メンテナンス費用 | 補助対象外 |
| リース料そのもの | 対象リース会社との共同申請では、リース料そのものは補助対象外 |
やってはいけない例
- 採択の通知を受けただけで、交付決定の前に機械を発注してしまう。
- 見積書を「システム開発一式」の1行だけで取ってしまう。
- 社内の別部署に機械装置を発注する、社内で製造する。同一法人内の支払いとみなされ、対象外です。
- 発注先からポイントやクーポンの発行を受けたり、代金の一部を払い戻してもらったりして、実質の支払額を下げる。補助金交付の目的に反する行為として扱われます。
採択されても、対象経費の全額に補助金が交付されると確定するわけではありません。交付申請時に事務局が改めて審査し、補助対象外の経費があれば、交付決定額が減額、または全額対象外になる場合があります。
見積もりから支払いまで、どんな順番で進めればよいですか?
見積もりの取得は申請前から始められますが、発注・契約は交付決定日以降に行い、支払いは補助事業実施期間内に完了させます。
公募要領では、補助対象経費は交付決定を受けた日付以降に契約(発注)等を行い、補助事業実施期間内に支払いを完了したものに限られます。契約(発注)先以外への支払いは一切認められません。
上の図は、経費に関わる手続きの大まかな順番を示したものです。
- 導入したい設備が、単価50万円(税抜)以上の機械装置等を1つ以上含むか確認します。
- 契約先1者あたりの見積額の合計が50万円(税抜き)以上の物件は、同一条件での相見積もりを取ります。最低価格の者を選びます。選ばない場合は、理由書と価格の妥当性を示す書類が必要です。
- 見積額が50万円(税抜き)未満の場合は、1者の見積書でかまいません。
- 申請時には、50万円以上の機械装置等・システムの仕様・積算根拠が分かる書類(参考見積書、カタログ、提案書、仕様書等)を添付します。この書類の取得で事前着手に抵触しないよう注意します。
- 交付決定通知書に記載された交付決定日以降に、契約(発注)します。
- 補助事業実施期間内に、契約・納品・検収・支払の全てを完了します。
- 補助事業が完了した日から起算して30日を経過した日、または事業完了期限日のいずれか早い日までに、実績報告書を提出します。
支払い方法の注意
支払いは銀行振込の実績で確認します。現金払や手形払など、実績を確認できないものは対象外です。銀行振込が可能なのに、支払いのしやすさなどを理由にクレジットカードを使うことは認められません。支払い方法を問わず、代行振込は一切不可です。クレジットカードでの支払い以外は不可とされる経費がある場合は、事前に事務局へ相談します。
また、交付申請額を算定するときは、消費税等を補助対象経費から除外します。
購入後の注意
単価50万円(税抜き)以上の機械等は処分制限財産となり、転売や目的外使用などをすると、残存簿価相当額等の国庫への返納が必要になる場合があります。システム構築費を計上する場合は、発注先と3〜5年の事業計画期間内の保守・メンテナンス契約を結ぶことが求められます。保守・メンテナンスの費用そのものは補助対象外です。
Saludは、要件の確認や経費区分の整理をお手伝いする立場です。事業計画書は、申請者ご自身で作成してください。
この記事の要点を、数字と条件で一覧にすると?
中小企業省力化投資補助金(一般型)第9回公募の対象経費は7区分で、機械装置・システム構築費が必須です。単価50万円(税抜)以上の機械装置等の設備投資を必ず1つ以上含める必要があります。
| 必須の対象経費 | 機械装置・システム構築費 |
|---|---|
| 必須設備の単価条件 | 単価50万円(税抜)以上の機械装置等の設備投資が必ず1つ以上 |
| 任意の対象経費 | 運搬費、技術導入費、知的財産権等関連経費、外注費、専門家経費、クラウドサービス利用費 |
| 機械装置・システム構築費以外の上限 | 総額で500万円(税抜き)まで |
| 技術導入費・知的財産権等関連経費の上限 | 補助対象経費総額(税抜き)の3分の1 |
| 外注費・専門家経費の上限 | 補助対象経費総額(税抜)の2分の1(専門家経費は1日上限5万円) |
| 経費の発生時期 | 交付決定日以降に契約(発注)し、補助事業実施期間内に支払いを完了したもの |
| 補助事業実施期間 | 交付決定日から14か月以内(採択発表日から16か月以内) |
| 支払い方法 | 銀行振込の実績で確認。現金払・手形払・代行振込は対象外または不可 |
| 相見積もり | 契約先1者あたりの見積額の合計が50万円(税抜き)以上は同一条件の相見積もりが原則 |
| 対象外の例 | 交付決定前の経費、中古品、汎用性のあるパソコン等、不動産、設置場所の整備・基礎工事 |
| 実績報告の期限 | 補助事業が完了した日から30日を経過した日または事業完了期限日のいずれか早い日 |
むずかしい言葉を、やさしく言いかえると?
公募要領や申請書に出てくる言葉は、次のように言いかえると分かりやすくなります。
| 機械装置・システム構築費 | 機械や専用のシステムを買う・作る・借りるお金 |
|---|---|
| 税抜き | 消費税を入れない金額のこと |
| 借用 | リースやレンタルで借りること |
| 相見積もり | 同じ条件で何社かに値段を出してもらうこと |
| 交付決定 | 国から「このお金を使ってよい」と正式に認められること |
| 事前着手 | 交付決定の前に、注文や契約を始めてしまうこと |
| クラウドサービス利用費 | インターネット上のサービスを使う料金 |
| 実績報告 | 使ったお金と結果を、決められた期限までに報告すること |
よくある質問(Q&A)
Q. 省力化投資補助金(一般型)で必須の対象経費は何ですか?
A. 機械装置・システム構築費です。第9回公募では、単価50万円(税抜)以上の機械装置等の設備投資が必ず1つ以上必要です。
Q. 機械装置・システム構築費以外の経費に上限はありますか?
A. あります。機械装置・システム構築費以外の経費は、総額で500万円(税抜き)までが補助上限額です。技術導入費・知的財産権等関連経費は補助対象経費総額(税抜き)の3分の1、外注費・専門家経費は2分の1が区分ごとの上限です。
Q. 交付決定前に発注した費用は対象になりますか?
A. なりません。交付決定前に発生した経費は、いかなる理由でも事前着手として認められません。交付決定日以降に契約(発注)したものが対象です。
Q. 支払いはクレジットカードでもよいですか?
A. 支払いは銀行振込の実績で確認します。銀行振込が可能なのに、支払いのしやすさなどを理由にクレジットカードを使うことは認められません。代行振込も一切不可です。例外にあたる経費がある場合は、事前に事務局へ相談してください。
Q. システム開発費の見積書はどう取ればよいですか?
A. 積算根拠が明確な見積書と仕様書が必要です。「システム開発一式」のような見積は認められません。実績報告時には、要件定義書または開発費用算出資料の提出も必要です。
まとめ
- 対象経費は7区分で、機械装置・システム構築費が必須。単価50万円(税抜)以上の設備投資を必ず1つ以上入れます。
- 機械装置・システム構築費以外の経費は、総額で500万円(税抜き)まで。区分ごとの上限割合にも注意します。
- 交付決定前の発注、中古品、汎用性のある機器、不動産、設置場所の工事などは対象外です。
- 見積書は積算根拠が明確なものを取り、発注は交付決定日以降、支払いは銀行振込で期間内に完了させます。
- 迷う経費は、公募要領と中小企業省力化投資補助金事務局のコールセンターで確認しましょう。
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事業計画は申請者ご自身で作成いただきますが、要件の確認や整理のお手伝いをしています。
出典と最終確認日
- 出典:中小企業省力化投資補助事業(一般型)公募要領(第9回公募・2026年11月4日公開)(公式情報)
- 最終確認日:2026年11月6日
- 執筆:株式会社Salud(補助金の申請支援・Web制作)