小規模事業者持続化補助金(一般型 通常枠・第20回)では、交付決定日より前に発注・契約・支払いをした経費は、補助対象になりません。採択通知書が届いた時点でも、補助事業は始められません。この記事では、経費を使い始めてよい時期、展示会出展の例外、交付決定後でも対象外になりやすい支払い方法を、公募要領に沿って整理します。

この記事の結論(要点)

  • 第20回の補助対象経費は、「補助金交付決定通知書」に書かれた交付決定日から発注・契約・支出ができる。
  • 採択通知書だけでは補助事業を始められない。 交付決定前の発注・契約・支払い(前払い含む)は補助対象外。
  • 交付決定は、採択発表から概ね1〜2か月かかる場合がある(目安であり、状況により変動する)。
  • 例外は展示会等への出展申込み。ただし請求書の発行が交付決定日以後でなければ対象外。
  • 交付決定後も、補助事業期間内に支払いと事業の実施を終える必要がある。補助金は後払い。

ご注意:この記事は、小規模事業者持続化補助金<一般型 通常枠> 第20回公募 公募要領をもとにした概要です。公募要領は改訂されることがあります。申請の前に、必ず最新の公募要領でご確認ください。

✔ 迷ったら、先に相談を。要件や経費の確認は、無料相談フォームまたはLINEから受け付けています。

交付決定前に発注・契約・支払いをした経費は補助対象になりますか?

補助対象になりません。 小規模事業者持続化補助金(一般型 通常枠・第20回)の公募要領では、交付決定日より前に行った発注・契約・支出行為は補助対象外と定められています。

交付決定日とは、「補助金交付決定通知書」に記載された日のことです。補助対象となる経費の発注・契約・支出は、この日から可能になります。

公募要領で対象外とされている例は、次のとおりです。

  • 交付決定前に発注・契約したもの
  • 交付決定前に購入したもの
  • 交付決定前に支払い(前払い含む)をしたもの

たとえば、次のようなケースは「やってはいけない例」です。

  • 申請を出した直後に、早く使いたくてチラシ印刷を発注した。
  • 採択の連絡が来たので、機械装置を契約して手付金を振り込んだ。

どちらも交付決定日より前の行為なので、補助対象外になるおそれがあります。

また、本補助金は審査があり、不採択になる場合があります。補助事業には自己負担が必要で、補助金は後払いです。交付決定前に先走って支出すると、補助が受けられないまま自己負担だけが残る可能性があります。

採択通知書が届けば、すぐに発注してよいですか?

いいえ。 採択通知書は補助事業の開始を認めるものではなく、始められるのは「補助金交付決定通知書」の交付決定日からです。

公募要領には、「補助金交付決定通知書の前に送付される採択通知書だけでは、補助事業を始めることはできません」と書かれています。採択と交付決定は別の段階です。

第20回の流れと、発注・支払いの可否を表にまとめます。

段階 日付・目安 補助対象経費の発注・支払い
事業支援計画書(様式4)の発行受付締切 2026年12月4日 できない
申請受付 2026年11月5日開始〜12月15日17:00締切(予定は変更する場合があります) できない
採択発表 2027年3月頃予定(申請数等により変更あり) できない(採択通知書だけでは始められない)
見積書等の提出 採択発表後〜交付決定まで(提出期限は2028年2月29日) できない
交付決定 採択発表から概ね1〜2か月かかる場合がある(目安) 交付決定日から可能
補助事業実施期限 2028年3月31日(金) 支払いと事業の実施を完了
実績報告書の提出期限 2028年4月10日(月) ―

注意したいのは、見積書等の提出期限(2028年2月29日)までに提出がないと、採択取消しになる点です。採択後は、すべての経費について見積書等を出し、事務局の審査を経て交付決定となります。

交付決定は、見積書が速やかに提出された場合でも、採択発表から概ね1〜2か月かかる場合があります。あくまで目安なので、日程は余裕をもって組みましょう。

実務上の補足(弊社の経験):公募要領には明記がありませんが、実務では、見積書の取得(見積依頼)は「発注」にあたりません。発注・契約とみなされるのは、注文書の発行や契約の締結など、取引を確定させる行為です。どの時点から発注・契約とみなされるかは、迷う場合もあります。判断に迷うときは、事務局へ確認してください。

発注前の確認手順

  1. 「補助金交付決定通知書」が届いているかを確認する。
  2. 通知書に書かれた交付決定日を確認する。
  3. 発注日・契約日・支払日が、すべて交付決定日以後になっているかを確認する。
  4. 発注総額(1件あたり)が50万円超(税込)なら、2者以上から見積を取っているかを確認する。
  5. 支払いが補助事業実施期限までに完了する予定かを確認する。

✔ 迷ったら、先に相談を。要件や経費の確認は、無料相談フォームまたはLINEから受け付けています。

交付決定前でも補助対象になる例外はありますか?

例外は、展示会等への出展の「申込み」だけです。 ただし、請求書の発行日や出展料の支払日が交付決定日より前だと、補助対象外になります。

公募要領には、「出展申込みは交付決定前でも構いません」と書かれています。一方で、請求書の発行が交付決定日以後でなければ補助対象外です。展示会等出展費の対象外の例にも、「請求書の発行日や出展料等の支払日が交付決定日より前となるもの」が挙げられています。

整理すると、次のとおりです。

項目 交付決定前に行ってよいか
展示会等への出展の申込み 可(例外)
展示会等の請求書の発行 交付決定日以後でなければ対象外
出展料などの支払い 交付決定日より前だと対象外
機械装置・広報物などの発注・契約・購入 不可

会話の形で見てみましょう。

経営者「人気の展示会は申込みが早く締め切られます。交付決定を待っていたら間に合いません。」

担当者「公募要領では、展示会等への出展の申込みだけは交付決定前でも補助対象とされています。」

経営者「では、申込みと同時に出展料を払ってもよいのですか?」

担当者「いいえ。請求書の発行が交付決定日以後でなければ対象外です。支払日が交付決定日より前になるものも対象外です。」

経営者「申込みはよくても、請求と支払いのタイミングが重要なのですね。」

担当者「はい。申込み前に、主催者の請求書の発行時期を確認しておくと安心です。」

なお、採択結果の公表や交付決定は、当初予定より遅れる場合があります。展示会等を使う計画は、スケジュールに十分な余裕を持たせて立てましょう。

交付決定後に発注しても対象外になる落とし穴は何ですか?

交付決定日以後の発注でも、支払方法や実施時期が合わないと対象外になります。 補助対象になるのは、補助事業期間中に支払いと事業の実施の両方が完了した経費だけです。

第20回の補助事業実施期間は、交付決定日から2028年3月31日(金)までです。公募要領で、特につまずきやすい点は次のとおりです。

落とし穴 公募要領の内容
支払方法 銀行振込が大原則。1取引10万円超(税抜き)の現金支払いは原則不可
クレジット払い 申請事業者の名義で、金融機関等からの引き落としが補助事業期間内に完了していること
個人カードでの支払い 代表者や従業員の個人カード払いは「立替払い」とされ、帳簿等で確認できないと対象外
小切手・手形・相殺 自社振出・他社振出にかかわらず不可
事業の実施 補助事業期間中に実際に使い、計画した取組を行った実績が必要
見積 発注総額(1件あたり)50万円超(税込)は2者以上から見積。中古品は金額に関わらず2者以上

やってはいけない例を2つ挙げます。

  • 機械を購入したが、期限までに使っていない。 補助事業終了までに販路開拓等の取組に使っていなければ、購入費は補助対象外です。
  • ホームページで受注システムを作ったが、公開していない。 補助事業終了までに公開して販路開拓の取組を行っていなければ、対象外です。

「発注した」「払った」だけでは足りません。計画に書いた取組を、期間内に実施した実績が必要です。

申請前の今の時期に、何を確認しておけばよいですか?

申請受付開始(2026年11月5日)の前に、「いつ発注できるか」のスケジュールを逆算しておくのが有効です。 2026年10月14日時点では、申請受付はまだ始まっていません。

確認しておきたい点は、次のとおりです。

  • 計画に入れる経費が、公募要領の対象経費(機械装置等費、広報費、ウェブサイト関連費、展示会等出展費、旅費、新商品開発費、借料、委託・外注費)に当たるか。
  • 交付決定が採択発表から概ね1〜2か月かかる前提で、事業実施期限(2028年3月31日)までに間に合うか。
  • 事業支援計画書(様式4)の発行受付締切は2026年12月4日で、受付締切以降の発行依頼は、いかなる理由があってもできないこと。

弊社の経験では、事業支援計画書(様式4)の発行にあたり、商工会議所地区でも事前の相談や面談を求められることが多くあります。公募要領には商工会議所地区の面談の記載はなく、オンラインで対応する窓口の有無も地域によって異なります。早めに、事業所が属する地域の窓口へ連絡して確認してください。

事業計画書は、申請者ご自身で作成するものです。Saludは、要件の確認や整理のお手伝いをします。発注時期や対象経費で迷う場合は、公募要領と補助金事務局(商工会地区は地域の商工会、商工会議所地区は03-6634-9307)への確認を前提に進めてください。

よくある質問(Q&A)

Q. 採択通知書が届いたら、補助対象の経費を発注してもよいですか?

A. いいえ。採択通知書だけでは補助事業を始められません。補助対象経費の発注・契約・支出ができるのは、補助金交付決定通知書に記載された交付決定日からです。交付決定日より前の行為は補助対象外です。

Q. 交付決定は、採択発表からどのくらいかかりますか?

A. 採択発表から概ね1〜2か月かかる場合があります。詳細な見積書が速やかに提出された場合でも同様です。あくまで目安であり、状況により変動します。

Q. 展示会への出展申込みは、交付決定前にしてもよいですか?

A. 出展の申込みのみ、交付決定前でも補助対象となります。ただし、請求書の発行が交付決定日以後でなければ補助対象外です。出展料などの支払日が交付決定日より前になるものも対象外です。

Q. 交付決定前に前払いをした場合は、どうなりますか?

A. 公募要領では、交付決定前に発注・契約、購入、支払い(前払い含む)をしたものは補助対象外とされています。展示会等の出展申込みを除き、例外は記載されていません。

Q. 補助金はいつ受け取れますか?

A. 補助金は後払いです。補助事業の終了後に実績報告書と経理書類を提出し、補助金額の確定を経て、請求・交付の流れになります。事業実施中は自己負担が必要です。

まとめ

  • 小規模事業者持続化補助金(第20回)の補助対象経費は、交付決定日から発注・契約・支出ができる。交付決定前の行為は補助対象外。
  • 採択通知書だけでは補助事業を始められない。交付決定は採択発表から概ね1〜2か月かかる場合がある。
  • 例外は展示会等への出展の申込みのみ。請求書の発行が交付決定日以後でなければ対象外。
  • 交付決定後も、補助事業期間内(2028年3月31日まで)に支払いと事業の実施を終え、支払方法や見積のルールを守る。

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出典と最終確認日

  • 出典:小規模事業者持続化補助金<一般型 通常枠> 第20回公募 公募要領(公式情報)
  • 最終確認日:2026年10月8日
  • 執筆:株式会社Salud(補助金の申請支援・Web制作)

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監修者

堂本 拓央(株式会社Salud 代表取締役)

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