採択されやすい経営計画書とは、公募要領の「審査の観点」4つに沿って、自社の現状・目標・取組・費用を客観的な事実で一本につなげた計画書です。この記事では、小規模事業者持続化補助金(一般型 通常枠・第20回)の審査の観点ごとに、何を書くか、何を書いてはいけないかを整理します。計画書を書くのは申請者ご自身です。Saludは要件の確認や整理をお手伝いします。
この記事の結論(要点)
- 審査は書類のみで、ヒアリングはありません。計画書の中身がすべてです。
- 計画審査の観点は①経営状況分析 ②経営方針・目標とプラン ③補助事業計画の有効性 ④積算の透明・適切性の4つです。
- 売上高・売上総利益の増加を、客観的なデータや根拠とともに定量的に書く必要があります。
- 事業者自らが検討した記載がないと、評価に関わらず不採択・交付決定取消になります。
- 事業支援計画書(様式4)の発行依頼は2026年12月4日(金)まで、申請は2026年12月15日17:00までです。
ご注意:この記事は、小規模事業者持続化補助金<一般型 通常枠> 第20回公募 公募要領をもとにした概要です。公募要領は改訂されることがあります。申請の前に、必ず最新の公募要領でご確認ください。
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持続化補助金(第20回)の経営計画書とは何で、審査では何を見られますか?
経営計画書とは、本記事では公募要領の「経営計画兼補助事業計画①(様式2)」と「補助事業計画②(様式3)」のことで、審査はこの書面だけで行われます。
小規模事業者持続化補助金(一般型 通常枠・第20回)では、様式2・様式3などを申請システムに直接入力します。添付ファイルとして出す必要はありません。
審査は、有識者等による審査委員会が非公開で行います。提案内容に関するヒアリングは実施されません。結果の内容についての問い合わせにも応じてもらえません。書いていないことは、評価されないと考えてください。
審査は次の順で進みます。
- 基礎審査:必要書類がそろっているか、要件に合うか、小規模事業者が主体的に取り組む内容か、などを確認します。満たさないと失格です。
- 計画審査:経営計画・補助事業計画を加点方式で評価し、総合評価が高いものから採択します。
- 加点審査:政策的な観点で加点します。
このうち、書き方で差がつくのが計画審査です。公募要領の4つの観点と、書く内容の方向性を表にまとめます。
| 審査の観点 | 公募要領での問い | 書く内容の方向性 |
|---|---|---|
| ①自社の経営状況分析の妥当性 | 経営状況、製品・サービス、強み・弱みを適切に把握しているか | 現状の整理 |
| ②経営方針・目標と今後のプランの適切性 | 強み・弱みを踏まえ、市場(商圏)や顧客ニーズを捉え、売上高・売上総利益の増加を目指しているか | 目標と方針 |
| ③補助事業計画の有効性 | 客観的事実に基づく目標か、具体的で実現可能か、新たな価値があるか、デジタル技術の活用や取得資産の継続使用が明確か | 取組の中身 |
| ④積算の透明・適切性 | 事業実施に必要なものか、計上・積算が正確・明確で真に必要な金額か | 経費の根拠 |
なお、小規模事業者が自ら経営を見つめ直して計画を作ることが、この補助金の前提です。事業者自らが検討しているような記載が見られない場合は、評価に関わらず不採択・交付決定取消とされています。

審査の観点ごとに、何をどう書けばよいですか?
観点ごとに「問いへの答え」を、客観的な事実と数字で書くことが基本です。
以下の「書き方の例」は、公募要領の例ではありません。審査の観点を自社に当てはめるための、編集部の例示です。

①自社の経営状況分析:強みと弱みを事実で書く
審査では、自社の経営状況、製品・サービス、強みと弱みを適切に把握しているかを見られます。
- 良い例:主力商品、主な客層、他店との違い、うまくいっていない点を、事実で整理する。
- 避けたい例:「地域で評判です」「技術力が高いです」など、根拠のない自己評価だけで終わる。
強みだけでなく、弱みも書きます。弱みを把握していることが、次の方針につながります。

②経営方針・目標とプラン:売上高・売上総利益の増加につなげる
方針とプランは、自社の強み・弱みを踏まえ、対象とする市場(商圏)や顧客のニーズを捉えたものにします。そして、売上高・売上総利益の増加を目指す内容にします。
①で書いた弱みに触れず、突然「新商品を作ります」と書くと、筋が通りません。①→②がつながっているか、読み返してください。
③補助事業計画:具体的・客観的・実現可能に書く
公募要領は、次のような点を見ています。
- 効果の目標が、客観的事実に基づいているか。
- 具体的で、その事業者にとって実現可能性が高いか。
- 技術やノウハウ、アイディアに基づく、新たな価値のある商品・サービス・提供方法か。
- デジタル技術を有効に活用する取組が見られるか。
- 補助事業で取得した資産を、事業終了後も継続して使うことが明確か。
また、補助対象事業の要件として、申請時に次の内容を様式2に書くよう求められています。

- 客観的なデータを用いた市場や顧客ニーズの分析
- 営業方針
- 新規取引や値上げの見込みなどの根拠や説明
- 取り組む補助事業での、定量的な成果(売上高・売上総利益の増加)
④積算:計画と経費をそろえる
経費は、補助事業計画に合った、事業実施に必要なものだけを計上します。積算は正確・明確にし、真に必要な金額にします。
計上した経費の大半が補助対象外の場合は、不採択・採択取消になります。 補助対象経費は8種類(機械装置等費、広報費、ウェブサイト関連費、展示会等出展費、旅費、新商品開発費、借料、委託・外注費)です。対象経費の詳細は、公募要領の「7.補助対象経費」で確認してください。
担当者と経営者の会話:どこまで根拠が必要?
経営者計画書に「売上が増えます」と書けば十分ですか?
担当者いいえ。客観的なデータを使った市場や顧客ニーズの分析、営業方針、新規取引や値上げの見込みなどの根拠と一緒に、売上高・売上総利益の増加を定量的に書く必要があります。
経営者専門家に全部書いてもらっても大丈夫ですか?
担当者事業者自らが検討している記載が見られないと、不採択や交付決定取消になります。第三者の支援を受けた場合は、様式2に相手方と支援に係る金額を書く必要があります。
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経営計画書で、やってはいけない書き方は何ですか?
やってはいけないのは、売上につながらない計画、計画に書いていない経費、第三者の支援の書き漏れです。
公募要領の記載にもとづくNG例を、表にまとめます。

| やってはいけない例 | 理由(公募要領の記載) |
|---|---|
| 機械を導入して試作品開発をするだけの計画 | 事業終了後、概ね1年以内に売上につながることが見込まれない事業は補助対象外 |
| 計画に書いていない出張を経費に入れる | 補助事業計画に明記されていない出張は旅費の対象外 |
| 業務効率化の経費を、あとから追加する | 申請時に所定の様式に記載し、経費明細表に計上することが前提。変更承認で事後に加えることはできない |
| 市場調査をしないまま新商品開発費を計上する | テストマーケティングや市場調査の内容・結果を様式2に記載する。申請時または実績報告時に確認できないと対象外 |
| 第三者の支援を受けたのに記載しない | 相手方と金額の記載がないと、虚偽の報告として不採択・交付決定取消 |
| 過去に採択された事業と同じ内容で申請する | 過去の持続化補助金の採択者は、これまでと異なる事業であることを記載する。同じ事業と見受けられると不採択 |
特に注意したいのが、費目の後付けです。採択後は、原則として補助事業計画に記載のない新しい費目は追加できません。経費は、申請時に漏れなく計画へ入れておく必要があります。
また、採択後に見積書等の提出が必要になります。見積書の提出期限は2028年2月29日で、期限までに提出がないと採択取消しです。見積もりを取る前提で、無理のない金額を計上しましょう。
第三者の支援については、提供サービスの内容とかけ離れた「高額なアドバイス料金」を請求する業者に注意するよう、公募要領に書かれています。GビズIDのアカウントとパスワードを第三者に教えることも、利用規約に反します。
加点項目は、経営計画書にどう書けばよいですか?
加点項目は、様式2の「希望する特例及び加点項目」で選び、必要な内容を入力します。
加点審査は、重点政策加点と政策加点の2区分があります。公募要領では「それぞれ1種類、合計2種類まで」と書かれています。2種類以上を選ぶと加点審査の対象外になる旨の注意書きもあります。選び方は、公募要領の「12.採択審査」で必ず確認してください。
様式2への入力が必要な加点の例は、次のとおりです。
- 事業環境変化加点:物価高騰等の影響を受けている内容を入力します。
- 地方創生型加点:地域資源型または地域コミュニティ型の取組を行う計画を入力します。
- 事業承継加点:事業承継の計画を入力・選択します。
- 後継者支援加点:選出された年度を入力します。
加点の中には、認定書の写しなどの添付書類が必要なものもあります。加点だけを目的に計画を作ると、基礎審査・計画審査で評価されにくくなります。加点は、計画の中身を固めたうえで、該当するものを選ぶ順序で考えてください。
書き始めてから申請するまで、どんな順番で進めればよいですか?
経営状況の整理から始め、様式4の発行依頼を2026年12月4日(金)までに済ませ、2026年12月15日17:00までに申請します。
まず、日程と金額の数字を確認します。以下は、第20回の主な数字です。
次の図は、計画書づくりから申請までの流れを示しています。
具体的な手順は次のとおりです。

- GビズIDプライムのアカウントを取得します。取得には数週間程度かかるため、未取得の方は早めに利用登録をします。
- 自社の経営状況、強み・弱み、顧客ニーズを整理します(観点①②)。
- 補助事業の内容、売上高・売上総利益の目標、経費を決めます(観点③④)。
- 電子申請システムに、経営計画と補助事業計画(様式2・3)を入力し、申請内容を印刷します。
- 希望する特例や加点の書類を添付して、地域の商工会・商工会議所に事業支援計画書(様式4)の発行を依頼します。
- 様式4の発行を受けます。商工会地区は窓口で面談を受けて発行され、システムに反映されます。商工会議所地区は発行された様式4のPDFをシステムにアップロードします。
- 受付締切(2026年12月15日17:00)までに、必要書類をそろえて申請します。
様式4の発行を受けるときは、計画の内容や提出書類の過不足を確認されます。特例を申請する場合は、要件を満たしているかも確認されます。受付締切(2026年12月4日)以降の発行依頼は、いかなる理由があってもできません。
なお、社外の代理人だけで商工会・商工会議所に相談したり、様式4の発行を依頼したりすることはできません。申請者自身が支援を受けながら進める事業だからです。
公募要領には記載がありませんが、弊社の経験では、商工会議所地区でも事前の相談や面談を求められることが多くあります。オンラインで対応する窓口もありますが、地域(窓口)によって異なります。早めに地域の窓口へ連絡して確認してください。
採択発表は2027年3月頃の予定ですが、申請数等により変更される場合があります。補助事業実施期間は、交付決定日から2028年3月31日(金)までです。計画のスケジュールには、余裕を持たせてください。
よくある質問(Q&A)
Q. 経営計画書は、専門家や支援会社に代わりに書いてもらってもよいですか?
A. 事業者自らが検討しているような記載が見られない場合は、評価に関わらず不採択・交付決定取消とされています。第三者の支援を受けた場合は、確認事項入力(様式2)に、相手方と支援に係る金額の記載が必要です。記載がないと虚偽の報告として不採択・交付決定取消になります。
Q. 審査で、面接やヒアリングはありますか?
A. 公募要領では、採択審査は非公開で提出資料により行い、提案内容に関するヒアリングは実施しないとされています。そのため、計画書の記載に不備がないよう注意が必要です。結果の内容についての問い合わせにも応じてもらえません。
Q. 売上高や売上総利益の増加は、具体的に書く必要がありますか?
A. はい。申請時には、客観的なデータを用いた市場や顧客ニーズの分析、営業方針、新規取引や値上げの見込みなどの根拠や説明とともに、定量的な成果(売上高・売上総利益の増加)を補助事業計画(様式2)に記載する必要があります。
Q. 新商品開発費を使いたいのですが、申請時に市場調査をまだしていません。どうすればよいですか?
A. テストマーケティングや市場調査の内容と結果は、様式2に記載します。申請時点で未実施の場合は、実績報告書(様式第8)に内容と結果を記載します。ただし、申請時または実績報告時のどちらでも確認できない場合、その経費は補助対象外です。
Q. 加点項目はいくつ選べますか?
A. 公募要領では、重点政策加点と政策加点からそれぞれ1種類、合計2種類まで選べると書かれています。2種類以上を選ぶと加点審査の対象にならない旨の注意書きもあるため、選び方は公募要領の「12.採択審査」や事務局に確認してください。
まとめ
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事業計画は申請者ご自身で作成いただきますが、要件の確認や整理のお手伝いをしています。
出典と最終確認日
- 出典:小規模事業者持続化補助金<一般型 通常枠> 第20回公募 公募要領(公式情報)
- 最終確認日:2026年10月8日
- 執筆:株式会社Salud(補助金の申請支援・Web制作)