中小企業省力化投資補助金(一般型・第8回公募)の補助上限額は、従業員数に応じて750万円〜8,000万円です。大幅賃上げの特例を使うと、1,000万円〜1億円に上がります。この記事では、従業員数別の上限額、特例の要件、使えない事業者、目標に届かなかった場合の返還までを整理します。

この記事の結論(要点)

  • 補助上限額は従業員数で5区分。5人以下は750万円、101人以上は8,000万円です。
  • 大幅賃上げの特例を使うと、上限は5人以下で1,000万円、101人以上で1億円になります。
  • 特例には、給与支給総額の年平均成長率+6.0%以上と、事業場内最低賃金が県の最低賃金+50円以上が必要です。
  • 特例の要件のどちらか一方でも未達だと、上限引き上げ額に当たる差額分の返還を求められます。
  • 特例を使えない事業者もあります。申請前に公募要領で確認が必要です。

ご注意:この記事は、中小企業省力化投資補助事業(一般型)公募要領(第8回公募・2026年8月、9月18日改訂)をもとにした概要です。公募要領は改訂されることがあります。申請の前に、必ず最新の公募要領でご確認ください。

✔ 迷ったら、先に相談を。要件や経費の確認は、無料相談フォームまたはLINEから受け付けています。

省力化投資補助金(一般型)の補助上限額は従業員数でいくらですか?

中小企業省力化投資補助金(一般型・第8回公募)の補助上限額は、従業員数が5人以下で750万円、101人以上で8,000万円です。従業員数を5つに区分して決まります。

補助上限額とは、その事業で受け取れる補助金の上限のことです。実際の交付額は、補助対象経費と補助率で決まります。上限額は「それ以上は出ない天井」と考えてください。

次の表は、従業員数別の補助上限額と、特例を適用した場合の上限額です。

従業員数 補助上限額(通常) 特例適用時の上限 上限の引き上げ額
5人以下 750万円 1,000万円 250万円
6~20人 1,500万円 2,000万円 500万円
21~50人 3,000万円 4,000万円 1,000万円
51~100人 5,000万円 6,500万円 1,500万円
101人以上 8,000万円 1億円 2,000万円

次の数字カードは、上限額の下限と上限をまとめたものです。

従業員数別の補助上限額(通常と特例適用時)の比較グラフ
図:従業員数別の補助上限額(通常と特例適用時)
最小の補助上限額(5人以下)
750万円
特例適用時は1,000万円
最大の補助上限額(101人以上)
8,000万円
特例適用時は1億円

なお、上限額とは別に、機械装置・システム構築費以外の経費は、総額で500万円(税抜き)までが補助上限額とされています。運搬費や外注費などを多く入れる計画では、この点にも注意してください。

大幅賃上げの特例を使うと、上限はいくらになりますか?

大幅賃上げに係る補助上限額引き上げの特例を使うと、従業員数に応じて上限が250万円〜2,000万円引き上がります。5人以下なら1,000万円、101人以上なら1億円です。

この特例は、大幅な賃上げに取り組む事業者のための仕組みです。引き上げ額は、申請枠の上限からの上乗せ額として定められています。上の表の右端が、その金額です。

なお、同じ「特例」でも、最低賃金引き上げに係る補助率引き上げの特例は別の制度です。こちらは上限額ではなく、補助率を上げる特例です。混同しやすいので、下の表で違いを整理します。

項目 大幅賃上げに係る補助上限額引き上げの特例 最低賃金引き上げに係る補助率引き上げの特例
引き上がるもの 補助上限額 補助率(中小企業は2/3)
使えない事業者 最低賃金引き上げに係る事業者、補助金額の上限額に達しない場合、再生事業者、常勤従業員がいない場合 小規模企業者・小規模事業者、再生事業者、常勤従業員がいない場合
主な追加要件 給与支給総額の年平均成長率+6.0%以上、事業場内最低賃金が県の最低賃金+50円以上 2024年10月から2025年9月までに、地域別最低賃金近辺で雇用する従業員が全従業員の30%以上の月が3か月以上

上限額の特例を使えない事業者に「最低賃金引き上げに係る事業者」が含まれています。つまり、最低賃金の特例の対象になる事業者は、上限額引き上げの特例とは別枠になります。「補助金額の上限額に達しない場合」の読み方は、公募要領や事務局への確認が必要です。

✔ 迷ったら、先に相談を。要件や経費の確認は、無料相談フォームまたはLINEから受け付けています。

特例の上限を使うための要件は何ですか?

大幅賃上げの特例を使うには、基本要件に加えて、給与支給総額の年平均成長率を合計+6.0%以上にし、事業場内最低賃金を県の最低賃金+50円以上にする必要があります。

年平均成長率とは、毎年平均してどれくらいの割合で伸びるかを表す数字です。特例要件の内訳は次のとおりです。

  • 1人当たり給与支給総額を、基本要件の+3.5%に加えて、さらに+2.5%以上増やす(合計で年平均成長率+6.0%以上)
  • 事業場内最低賃金(事業場内で最も低い賃金)を、事業実施都道府県の最低賃金に+50円以上した水準にする

基本要件では、給与支給総額が+3.5%以上、最低賃金が+30円以上です。特例では、この水準を引き上げる形になります。上の2つの達成に向けた具体的で詳しい取り組みは、事業計画書に書く必要があります。

次の数字カードは、特例で必要になる賃上げの水準です。

特例の上限を使うために必要な賃上げの水準:年平均成長率+6.0%以上、最低賃金+50円以上
図:特例に必要な賃上げの水準
特例で必要な給与支給総額の伸び
年平均成長率+6.0%以上
基本要件の3.5%に2.5%を上乗せ
特例で必要な事業場内最低賃金
県の最低賃金+50円以上
基本要件は+30円以上

特例を使うか決める手順

上限額だけを見て特例を選ぶのは、やってはいけない例です。賃上げの目標を達成できなければ返還の対象になるためです。次の手順で、自社で実行できるかを確認してください。

  1. 応募時点の常勤従業員数を数え、自社の区分を確認する
  2. 上の表で、通常の上限額と特例適用時の上限額を確認する
  3. 特例を使えない事業者に当たらないか、公募要領で確認する
  4. 年平均成長率+6.0%以上と、県の最低賃金+50円以上を実行できる取り組みを書けるか検討する
  5. 判断に迷う点は、公募要領を読み、中小企業省力化投資補助金事務局のコールセンターに確認する

事業計画書は、申請者ご自身で作成するものです。株式会社Saludは、要件の確認や整理をお手伝いします。

特例の目標を達成できないと、いくら返還になりますか?

特例の要件のうち、給与支給総額の目標か最低賃金の水準のどちらか一方でも未達の場合は、補助上限額の引き上げ額に当たる差額分の返還を求められます。

たとえば6〜20人の事業者が特例を使った場合、上限は1,500万円から2,000万円に上がります。この引き上げ額は500万円です。特例の要件が未達の場合は、「従業員規模ごとの補助上限額との差額分」について返還を求めると定められています。

次の流れ図は、特例の要件が未達だった場合に、返還が決まる流れを示したものです。

特例が未達だったときの返還の流れ
図:特例が未達のときの返還の流れ(従業員6〜20人の例)
STEP 1
事業計画書に取組を記載
STEP 2
交付申請時までに表明
STEP 3
毎年3月末に最低賃金を確認
STEP 4
最終年度に賃上げ達成を確認

特例とは別に、基本要件(給与支給総額の+3.5%以上)が未達の場合も、達成率に応じた返還があります。計算式は次のとおりです。

  • 返還金額=(補助金交付額-補助上限引き上げ額)×(1-達成率)
  • 達成率=事業計画終了時点の年平均成長率÷申請時に掲げた3.5%以上の目標値
  • 特例を適用していない事業者は、上限引き上げ額を0として計算する
  • 年平均成長率が0またはマイナスの場合は、全額の返還

特例の要件が未達で、基本要件も未達の場合は、両方に基づく返還を求められます。ただし、付加価値額が増えておらず、かつ企業全体で事業計画期間の過半数が営業利益赤字の場合や、天災など事業者の責めに帰さない理由がある場合は、返還を求めないとされています。なお、再生事業者は基本要件未達の場合の返還要件が免除されます。

上限額を決める「従業員数」はどう数えますか?

上限額の区分を決める従業員数は、応募時の常勤従業員数で数えます。代表取締役や専従者などは含みません。

常勤従業員とは、中小企業基本法上の「常時使用する従業員」のことです。労働基準法第20条にもとづく「あらかじめ解雇の予告を必要とする者」と解されます。次の人は、常勤従業員に含まれません。

  • 日々雇い入れられる者
  • 2か月以内の期間を定めて使用される者
  • 季節的業務に4か月以内の期間を定めて使用される者
  • 試用期間中の者

代表取締役や専従者など、常勤従業員に当てはまらない人が含まれていると判明した場合は、採択取消などになることがあります。人数の数え間違いは、区分の誤りにつながります。

次の会話は、現場でよくある疑問の例です。

経営者うちは従業員が21人です。この人数で上限額が決まりますか。

担当者はい。応募時の常勤従業員数で区分が決まります。21〜50人の区分なら、通常の上限は3,000万円です。

経営者その人数には、社長の私も入りますか。

担当者代表取締役は常勤従業員に含まれません。含めて申請すると、採択取消になることがあります。

経営者21人以上だと、ほかに必要なことはありますか。

担当者基本要件として、「両立支援のひろば」への一般事業主行動計画の公表などが必要です。掲載に2週間程度かかるので、早めに準備しましょう。

申請の締切日は、公募要領に記載がありません。「追ってHPでお知らせ」とされているため、中小企業省力化投資補助金の公式サイトで確認してください。

よくある質問(Q&A)

Q. 従業員が6〜20人の場合、補助上限額はいくらですか?

A. 通常の補助上限額は1,500万円です。大幅賃上げに係る補助上限額引き上げの特例を適用すると、2,000万円になります。引き上げ額は500万円です。

Q. 大幅賃上げの特例を使えない事業者はありますか?

A. あります。最低賃金引き上げに係る事業者、補助金額の上限額に達しない場合、再生事業者、常勤従業員がいない場合は、引き上げ不可と定められています。該当するかは公募要領や事務局に確認してください。

Q. 特例の要件を達成できなかった場合はどうなりますか?

A. 給与支給総額の年平均成長率+6.0%以上、または事業場内最低賃金が県の最低賃金+50円以上のどちらか一方でも未達だと、補助上限額の引き上げ額に当たる差額分の返還を求められます。基本要件も未達の場合は、別の返還も求められます。

Q. 補助上限額まで必ずもらえますか?

A. いいえ。補助上限額は上限であり、交付額は補助対象経費と補助率で決まります。採択後の交付申請で内容が改めて精査され、補助対象外経費があれば交付決定額が減ることがあります。

Q. 第8回公募の申請締切はいつですか?

A. 公募要領には締切日の記載がなく、「追ってHPでお知らせ」とされています。最新の日程は、中小企業省力化投資補助金の公式サイトで確認してください。

まとめ

  • 省力化投資補助金(一般型・第8回)の補助上限額は、従業員数で750万円〜8,000万円。特例を使うと1,000万円〜1億円です。
  • 特例には、給与支給総額の年平均成長率+6.0%以上と、県の最低賃金+50円以上の水準が必要です。
  • 特例の要件が未達だと、上限引き上げ額に当たる差額分の返還を求められます。上限額だけで特例を選ばず、実行できる計画かを確認してください。
  • 従業員数は応募時の常勤従業員で数えます。締切日や不明点は、公式サイトや事務局で確認してください。

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出典と最終確認日

  • 出典:中小企業省力化投資補助事業(一般型)公募要領(第8回公募・2026年8月、9月18日改訂)(公式情報)
  • 最終確認日:2026年10月15日
  • 執筆:株式会社Salud(補助金の申請支援・Web制作)

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監修者

堂本 拓央(株式会社Salud 代表取締役)

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