中小企業省力化投資補助金(一般型)は、人手不足に悩む中小企業等が、IoT・ロボット等を活用した専用設備を導入する費用の一部を補助する制度です。第8回公募では、補助上限額は従業員数に応じて750万円〜8,000万円(特例適用時は最大1億円)、補助率は中小企業で1/2(特例適用時は2/3)とされています。この記事では、対象者・補助額・補助率を表で整理し、申請前に確認したい要件もあわせて解説します。
この記事の結論(要点)
- 中小企業省力化投資補助金(一般型)は、人手不足の解消に向けた専用設備(オーダーメイド設備)の導入費用を一部補助する制度です。
- 補助上限額は従業員数で決まり、5人以下で750万円、101人以上で8,000万円です(特例適用時は上限が上がります)。
- 補助率は中小企業が1/2(特例適用時は2/3)、小規模企業者・小規模事業者と再生事業者は2/3です。
- 機械装置・システム構築費で、単価50万円(税抜)以上の設備投資が1つ以上必須です。
- 申請にはGビズIDプライムが必要です。申請時期は公募要領に記載がないため、公式サイトで確認が必要です。
⏰ 第8回公募の申請受付は、2026年9月18日(金)10:00から、2026年10月16日(金)17:00までです。(本事業のホームページで公表された日程です。最新の情報は公式サイトでご確認ください)
ご注意:この記事は、中小企業省力化投資補助事業(一般型)公募要領(第8回公募・2026年8月、9月18日改訂)をもとにした概要です。公募要領は改訂されることがあります。申請の前に、必ず最新の公募要領でご確認ください。
✔ 迷ったら、先に相談を。要件や経費の確認は、無料相談フォームまたはLINEから受け付けています。
中小企業省力化投資補助金(一般型)とは何ですか?
中小企業省力化投資補助金(一般型)とは、人手不足に悩む中小企業等が、デジタル技術等を活用した専用設備を導入するための経費の一部を補助する制度です。
公募要領(第8回公募)では、この制度の目的を「省力化投資を促進して付加価値額や生産性向上を図り、賃上げにつなげること」としています。
補助の中心になるのは、オーダーメイド設備です。オーダーメイド設備とは、ICTやIoT、AI、ロボット、センサー等を活用し、単一もしくは複数の生産工程を自動化するために、外部のシステムインテグレータ(SIer)との連携などを通じて、事業者の個々の業務に応じて専用で設計された機械装置やシステム(ロボットシステム等)のことです。
カタログ注文型との違い
公募要領では、一般型を検討する前に、カタログ注文型の製品カタログを必ず確認するよう求めています。カタログ注文型は、すでに国が省力化効果を認めた製品を選ぶ仕組みです。公募要領には、一般型と比べて申請が迅速かつ簡易であると書かれています。
一方、一般型は、機能や構造、性能などが一品一様で設計・開発された機械装置・システムを導入する計画かどうかなどを総合的に審査します。カタログ注文型より審査項目が多い点に注意してください。
第8回公募の補助上限額と補助率はいくらですか?
第8回公募の補助上限額は、従業員数に応じて750万円〜8,000万円です。補助率は、中小企業が1/2、小規模企業者・小規模事業者と再生事業者が2/3です。
数字を並べると、次のとおりです。
上の3枚は、従業員6〜20人の事業者の上限額、中小企業の補助率、事業実施期間の目安を示しています。
補助上限額(従業員数別)
| 従業員数 | 補助上限額 | 特例適用時の上限 |
|---|---|---|
| 5人以下 | 750万円 | 1,000万円 |
| 6〜20人 | 1,500万円 | 2,000万円 |
| 21〜50人 | 3,000万円 | 4,000万円 |
| 51〜100人 | 5,000万円 | 6,500万円 |
| 101人以上 | 8,000万円 | 1億円 |
750万円
1,000万円
1,500万円
2,000万円
3,000万円
4,000万円
5,000万円
6,500万円
8,000万円
1億円
図:従業員数が多いほど補助上限額は大きくなります(公募要領 第8回公募)
特例は、大幅な賃上げに取り組む事業者向けの「補助上限額引き上げの特例」です。ただし、最低賃金引き上げに係る事業者、補助金額の上限額に達しない場合、再生事業者、常勤従業員がいない場合は、引き上げができません。
補助率
| 補助対象者 | 補助率 | 特例適用時 |
|---|---|---|
| 中小企業 | 1/2 | 2/3 |
| 小規模企業者・小規模事業者 | 2/3 | 引き上げ不可 |
| 再生事業者 | 2/3 | 引き上げ不可 |
小規模事業者
図:補助率は事業者の区分で異なります(公募要領 第8回公募)
補助率が2/3になる特例は、「最低賃金引き上げに係る補助率引き上げの特例」です。2024年10月から2025年9月までの間に、「当該期間における地域別最低賃金以上〜2025年度改定の地域別最低賃金未満」で雇用している従業員が、全従業員数の30%以上である月が3か月以上あることが要件です。要件を満たさない場合、この特例は適用されません。なお、小規模企業者・小規模事業者と再生事業者は、この特例による補助率の引き上げはできません。
小規模事業者の補助率に注意
小規模事業者の補助率は2/3ですが、採択後、交付決定までの間に小規模企業者・小規模事業者の定義からはずれた場合は、補助率が1/2に変更されます。交付決定後も、補助事業実施期間終了までに定義からはずれた場合は、2/3から1/2へ計画変更となります。
また、補助事業の経費は交付決定日以降に発注したものが対象です。交付決定前に発生した経費は、いかなる理由でも対象外です。
✔ 迷ったら、先に相談を。要件や経費の確認は、無料相談フォームまたはLINEから受け付けています。
補助対象者は誰ですか?業種ごとの規模要件は?
補助対象者は、日本国内で法人登記され、国内に本社と補助事業の実施場所を持つ中小企業等です。個人事業主も含まれます。
中小企業者(組合関連以外)は、資本金または常勤従業員数が、次の数字以下であることが条件です。
| 業種 | 資本金 | 常勤従業員数 |
|---|---|---|
| 製造業、建設業、運輸業 | 3億円 | 300人 |
| 卸売業 | 1億円 | 100人 |
| サービス業(ソフトウェア業、情報処理サービス業、旅館業を除く) | 5,000万円 | 100人 |
| 小売業 | 5,000万円 | 50人 |
| ソフトウェア業又は情報処理サービス業 | 3億円 | 300人 |
| 旅館業 | 5,000万円 | 200人 |
このほか、ゴム製品製造業や「その他の業種」、特定事業者の一部、NPO法人、社会福祉法人、歯科医業を営む医療法人などの区分があります。自社の産業分類がどこに当たるかは、公募要領で確認してください。
小規模企業者・小規模事業者の目安
| 業種 | 常勤従業員数 |
|---|---|
| 製造業その他 | 20人以下の会社及び個人事業主 |
| 商業・サービス業 | 5人以下の会社及び個人事業主 |
| サービス業のうち宿泊業・娯楽業 | 20人以下の会社及び個人事業主 |
常勤従業員とは、中小企業基本法上の「常時使用する従業員」のことです。日々雇い入れられる者、2か月以内の期間を定めて使用される者、試用期間中の者などは含まれません。代表取締役や専従者が含まれていることが判明した場合、採択取消になることがあります。
対象外になりやすい事業者
次のような事業者は対象外です。
- 発行済株式の総数の2分の1以上を同一の大企業が所有している中小企業者等(みなし大企業)
- 本事業へ応募・交付申請中の事業者、または交付決定を受けて補助金支払が完了していない事業者
- 応募時点で、従業員が0名、または1人当たり給与支給総額の対象となる従業員が0名の事業者
- 親会社が議決権の50%超を有する子会社など、みなし同一法人の複数社で申請する場合(1社のみ申請可)
同一法人・事業者の応募は、公募回ごとに1申請に限られ、同時申請はできません。
申請前に何を確認すればよいですか?
申請前には、基本要件、必須の設備投資、対象外経費の3点を確認してください。
基本要件は4つ
3〜5年の事業計画を作り、次の要件を全て満たす必要があります。
- 労働生産性の年平均成長率を+4.0%以上にする
- 1人当たり給与支給総額の年平均成長率を3.5%以上にする
- 事業場内最低賃金を、事業実施都道府県の最低賃金+30円以上の水準にする
- 従業員21名以上の場合、次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画を公表する
図:4つの基本要件の整理
労働生産性とは、付加価値額を労働者数で割った数字のことです。賃上げ目標を達成できなかった場合は、達成率に応じて補助金の返還を求められます。再生事業者は、基本要件未達の場合の返還要件が免除されます。
設備投資の必須ライン
補助対象経費のうち、機械装置・システム構築費は必須です。必ず1つ以上、単価50万円(税抜)以上の機械装置等の設備投資が必要です。それ以外の運搬費、技術導入費、外注費、専門家経費などは任意で、総額で500万円(税抜き)までが補助上限額です。
図:必須の経費と任意の経費
よくある疑問
経営者汎用の機械を1台買うだけでも対象になりますか。
担当者公募要領では、汎用設備を単体で導入する事業は対象外とされています。
経営者では、汎用設備は一切使えないのですか。
担当者導入環境に応じて周辺機器の数や搭載機能が変わる場合や、汎用設備を組み合わせて高い省力化効果を生む場合は、オーダーメイド設備とみなされます。
経営者中古品や、交付決定前に発注した分はどうですか。
担当者中古品購入費は対象外です。交付決定前に発生した経費も、いかなる理由でも対象外です。
申請準備の手順
- GビズIDプライムアカウントを取得する(発行に一定期間がかかるため、早めに着手します)
- 第8回公募の申請受付期間(2026年9月18日10:00〜10月16日17:00)を公式サイトで確認する
- 業種と常勤従業員数から、自社が対象者に当たるか確認する
- 導入予定の機械装置等(50万円以上)の仕様・積算根拠が分かる書類を準備する(事前着手に抵触しないよう注意します)
- 事業計画書を申請者ご自身で作成する
- 電子申請システムで申請する
図:順に進めます。GビズIDは取得に時間がかかります
事業計画書は、申請者自身で作成する必要があります。公募要領では、過大な成功報酬を請求する支援業者等への依頼はトラブルの原因になるとして注意を促しています。外部の支援を受けた場合は、支援者名や報酬等を必ず記載してください。
採択後の大まかな流れ
次の図は、採択後から補助金受領までの大まかな流れを示しています。
交付申請は、原則として採択発表日から2か月後の日が期限です。補助金は、補助事業終了後に実績報告書を提出し、補助金額が確定した後の精算払となります。
よくある質問(Q&A)
Q. 第8回公募の申請締切はいつですか?
A. 第8回公募の申請受付開始日は2026年9月18日(金)10:00、申請締切日は2026年10月16日(金)17:00です。公募要領には日付の記載がなく、本事業のホームページで公表されたスケジュールです。最新の情報は、公式サイトでご確認ください。
Q. 個人事業主も対象になりますか?
A. 公募要領では、対象となる中小企業等に個人事業主を含むとされています。ただし、応募時点で従業員が0名の場合や、1人当たり給与支給総額の対象となる従業員が0名の場合は応募できません。
Q. 補助金は先にもらえますか?
A. 補助金の支払いは、原則として補助事業終了後に実績報告書を提出し、補助金額が確定した後の精算払です。そのため、補助事業中の資金は先に用意する必要があります。
Q. 事業計画書の作成を業者に任せてもよいですか?
A. 事業計画は申請者自身で作成するものとされています。外部の支援を受ける場合は、事業計画書作成支援者名や報酬の内容を申請画面に必ず記載する必要があります。Saludは、要件の確認や整理のお手伝いをする立場です。
Q. 収益納付は必要ですか?
A. 公募要領では、収益納付は求めないとされています。ただし、補助事業で取得した資産には処分制限があり、転売や目的外使用をした場合は残存簿価相当額等の返納が必要です。
まとめ
- 中小企業省力化投資補助金(一般型)は、専用設備(オーダーメイド設備)の導入で人手不足の解消を目指す制度です。
- 補助上限額は従業員数別に750万円〜8,000万円、補助率は中小企業1/2、小規模事業者・再生事業者2/3が基本です。
- 基本要件には賃上げや労働生産性の目標があり、未達の場合は返還を求められることがあります。
- 申請時期は公式サイトで確認し、GビズIDプライムの取得を早めに進めてください。
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事業計画は申請者ご自身で作成いただきますが、要件の確認や整理のお手伝いをしています。
出典と最終確認日
- 出典:中小企業省力化投資補助事業(一般型)公募要領(第8回公募・2026年8月、9月18日改訂)(公式情報)
- 最終確認日:2026年10月16日(申請受付期間は、本事業のホームページで確認)
- 執筆:株式会社Salud(補助金の申請支援・Web制作)